SLX DCXT購入を迷っているアナタへ ~文庵的徹底検証~
SL DCXTの購入に至った経緯は以前の記事をご覧いただくとしまして。
https://fumian.official.jp/archives/post-12828
早速、試し投げに行ってきました。
DCXTの購入を検討されている方の参考になればということで、検証した内容を出来るだけ詳細に記載してみたいと思います。
っつーことで。
「あわよくばシーバスでも釣れないかなぁ」っていうことで近所の工業港へ。
環境/タックル
【環境】
・快晴
・横向きの風 1~2m/s
・利用想定:7g前後~15g程度のルアー
【タックル】
・ロッド:AbuGarcia XROSSHIELD XRFC-702M(7ft、ミディアム)
・リール:SHIMANO SLX DCXT(70HG)
・ライン:ナイロン16lbをハンドル75回転分(58m前後)
検証内容
事前準備として最初にブレーキのセッティングをしておきます。
まずは一番重いメタル丸を結んで、外部ダイヤルを「W」でスタート。
おぉ、前モデルのSLX DCの音痴DCではない、正真正銘のDC音が手元から心地よく聞こえてきます。
DCの音っつったらこうでなくっちゃネ。
けど、あれ?
「W」では13gのメタル系でも予想よりはるかに飛ばない。
え?こんなもんなの?
思い切ってブレーキダイヤルを「2」まで下げてみて、再キャスト。
おぉ~っ。気持ちいいくらい飛んでいくじゃん。
そこで、ちょーしにのってダイヤル「1」まで下げてみました。
おぉ~、更に気持ちよく飛んでくれます。
何度か試投して慣れてくると、100%スプールのライン出切っちゃうくらいまでになりました。
YoutubeのDCXT関連動画でもいろんな方が仰っていたように実用域ってブレーキダイヤル「1」~「2」くらいなのかもですね。
・サミングに慣れてない人は「2」→飛距離が若干短くなるけど糸は浮かない
・サミングが得意な人は「1」→かっ飛ぶけどきっちりサミングしないとバックラッシュの恐れあり
上記みたいなイメージかな。
っつーわけで。
以下3つのルアーを力いっぱい投げてみました。
第1のコース、”ジェネリック版メタル丸”、13gでございます。
第2のコース、釣り場で拾ったメタルバイブ、7g。
第3のコース、ダイソーのスピンテールジグ、7g。
重さは前述のメタルバイブと同様ですが、パーツが分かれていて重量が分散されることで飛距離にどの程度の差が出るかっていう意味でこいつをチョイス。
検証結果
ブレーキ設定は「1」でいずれも検証しました。
結果は以下の通り。
・メタル丸:計測不可(ラインが全部出きってしまった) → 58m以上
・メタルバイブ:ハンドル57回転分(約44m)
・スピンテールジグ:ハンドル56回転分(約43m)
文庵の想定利用重量の上限と下限を試してみたのですけど、十分な結果となりました。
もし「おれは15gくらいから上のルアーをメインに使うのだ」って方は、ラインをMaxまで巻いて使えばより遠投性能が期待できるのではないかと思います。
分かったこと/注意点
巻き心地はさすが
ギア作りに実績のあるシマノさんだけあって、ゴリ感やカタカタ音などの違和感は一切なし。
かつてラルフローレン氏がニューバランスのM1300を履いた時に「まるで雲の上を歩いているようだ」という名言を残したことは有名ですけど、それを彷彿とさせる心地よさ。
当初、すぐにハンドルノブのベアリング交換しようと思っていたけど、しばらくは箱出し状態でなんの不満もなく使えそう(とか言ってますけど、近いうちに結局amazonでベアリング頼んじゃうんだろうなぁw)。
そりゃぁカルコンにはかなわないですけど、ワタクシにはDCXTレベルで十分”雲の上を歩いている”くらいの心地よさです、はい。
トラブルレスではない
今回使用した検証環境ではノーサミングだと十中八九の確率でバックラッシュしました。
ココからは文庵的仮説ですがDCブレーキの「1」はあくまでスプールが回転している間のブレーキ性能が超優秀なだけであって、回転が収まりきる直前はブレーキは機能していないのではないか、と。
DCユニットにコンデンサー(一時的に電気を貯めておく部品)が搭載されているのかどうかわかりませんが、少なくとも着水直前の回転数ではブレーキを作動させられる程の電力は発生させられていないのじゃないかな、という感触。
ブレーキモードを「2」「3」・・・って上げてくと違うんでしょう、きっと。
なので、少なくともブレーキモード「1」ではサミングが必須でした。
飛距離を取るかノーサミングを取るか
でも、この「最後にブレーキが利かない」というのは逆に考えるとDAIWAのSVスプール/Airブレーキのデメリットである「着水直前の失速」は起きないとも言えるでしょうから、サミングさえしっかり行えるのであれば、無敵のブレーキシステムとも言えるでしょう。
もしかしたら、もっと重いルアーを使うとキャスト直後からのスプール回転数の減衰具合が異なって最後までブレーキが動作するかもしれません(が、私の使用範囲ではないのでYoutubeでDCXT関連動画を漁ってみてくださいネ)
トラブルレスならDAIWAのSVTW
なお、「バックラッシュが怖いなぁ。トラブルレスを最優先に考えたいなぁ」って方はDAIWAのSVTWモデルが最適解になると思います。
ルアーウエイト、ラインの太さ、ブレーキセッティングがカッチリはまればノーサミングでもバックラッシュしないです。「着水直前の失速」が許容できる方なら、SVTW1台持っておけば何の不満も出ないと思います。
SLX DCと混同しないように
SLX DCXTより安価に購入できるSLX DCですが、値段が抑えられている分スペックもそれなりです。
ネット上の評価も概ね低いものばかりであふれているので、似て非なるものと思った方が良いでしょう。
まとめ
数年前まではフラッグシップモデルにのみ搭載されていた”DCブレーキシステム”。
その”高嶺の花”が2万円台半ばから購入出来て、しかも十分実用に耐えるっていうのはSHIMANOさんの企業努力にただただ頭が下がるばかりです。
SHIMANOさん、ありがとうございます。
他のDC機よりも利用できるルアーウエイトのレンジが広いので、ワタクシみたいな「DC機は初めて」っていう人には最初の1台としてよいのではないでしょうか。
あ、このリール、”バーサタイルです”っていう、釣りレビューにありがちなこのワードは使いませんよ。
そもそもバーサタイルって言葉、そんなに一般的じゃありませんし、わざわざピンとこない言葉を使うっていうのはどうかと。
バス釣りあるあるとして「わけわからん横文字をやたら使いたがる人が相当数いる」っていうのがありますけど、ああいうのがルアー釣りというアクティビティを余計にややこしくしていると思うし、カッコ悪いというのが持論。
だって、初心者さんがこれ読んだら「なにこれ?ちんぷんかんぷんだわ・・・もしかして宇宙と交信でもしているの?」となっちゃうでしょ。
そんなわけで、当サイトでは初心者の方にも分かりやすいように可能な限り”これ見よがしに使うと逆にカッコ悪い横文字バス釣り用語”は使わないようにしております。
(ちなみにDVDのVがバーサタイルの”V”っていうのはマメ知識)
今夏の川バス釣り、特に足場の高いところから一気にぶっこ抜くようなストロングスタイルの釣りで大活躍してくれそうです。
あ。
近いうちに「リール遍歴」のページも更新しなくちゃ。