ここがヘンだよ、釣り業界 #4 ドラマ「悪徳釣具メーカーの闇」
ここは、とある釣具メーカーのオフィス。
なにやら社長がいつにもましてご機嫌なようです。
ぐははは。
社長、とてもご機嫌がよさそうですがどうしたんですか?
知りたいか?じゃぁ、そろそろ入社1年を迎えることだし、A君にも教えてあげよう。
ありがとうございますっ!
うむ。
私がとても上機嫌なのは、最近特に我が社が販売する「カスタムベアリング」の売れ行きが好調だからなのだよ。
ベアリングの売れ行きが好調だとそんなにうれしくなっちゃうんですか?
そうなのだ。
なにせ、大した手間をかけなくても、べらぼうに利益が出るからな。
そうなんですか。でも、我が社の製品サイトを見ると厳正な検品やら国内製品のみを使用しているやらで品質管理に結構なコストがかかっているように見えますけど。。。
あぁ、あれか。
まぁ、ほぼ書いてあることはデタラメだ。
えーっ!?
デタラメではあるが嘘ではない。
たとえば、検品に”特別な機材を用いてしっかりチェックしている”という部分だが、これを使っている。
これ、お裁縫に使う千枚通しですよね?
そうだ。この千枚通しという”特別な機材”の先っちょに通して指でくるくるやって回転があまりにも悪いものは廃棄、という工程をきっちり行っている。
まぁ、確かに機材を使っているって言われれば嘘ではないですけど・・・。
でも、日本製のベアリングだったら検品時にもそんなに不良品の発生率は高くないのでは?
それが、海外製のベアリングだと不良品はたまにでるからたちが悪いのだ。
えっ?うちが取り扱っているのって国内製のベアリングじゃないんですか?
たしか製品サイトにはそんなかんじで堂々と書いてあるじゃないですか?
さすがに全部海外製だと嘘になるので、何%かは国内製品も入荷している。
例えばスケボーのベアリングのように大きいものだとABECとか刻印が入っているので、判別は容易だが、考えてみたまえ、リールに使われているベアリングみたいなあんな小さい製品を素人が、どこをどうみて国内製か海外製か見極めると思う?
まぁ、たしかに。
一部、国内製品も入荷しているのは国内製の取引実績をエビデンスとして残しておかないとさすがにいざという時にヤバそうだからな。
まぁ、それでもマルサにガサに入られたら一発でアウトだろうけど、こんなニッチなカテゴリのメーカーにまで目はつけないだろう。
それじゃぁ、海外製のベアリングを輸入してほぼ横流しして・・・
いちおう、自社ブランドであるという事を認識づけるためにちょっとは手間をかけているぞ。
といっても、そのほかにかかる大きな費用としては以下のものくらいだからな。
・パッケージのデザイン代
・梱包代
・広告費
そりゃぁ笑いが止まらなくなるわけですね(なんか怖くなってきた・・・)。
「釣り専用品」とか書いてそれらしい能書きをテキトーに付け加えておくだけで仕入れ値のおよそ4~5倍の値段でも、ありがたがって購入してしまうんだから、日本のアングラーってのは本当にオメデタイ奴らが多くてありがたいのだ。
たぶん、「壁にやたらラーメンの熱い思いとか素材の仕入れ先のこだわり」みたいなのを書いてるラーメン屋さんでも、実は虚偽の記載だった、みたいなところ結構あるかもしれんぞ、がはは。
なんかこの会社、ヤバそうだから、明日、退職願出してやめちゃおう。
ついでに地元の消費者センターに垂れ込んでおくか。
帰りにタウンワーク拾ってこ。
最後に
いかがでしたでしょうか?
先日、20Tatula SVTWのハンドルノブのベアリング交換をした際にAmazonで500円ちょっとで購入したものが全然品質的に問題がなかったことから、「そういえば釣具メーカーの販売しているベアリングってなんであんなにくそ高ぇんだろう?」という疑問から妄想に発展してドラマ仕立てでお送りしてみた次第です。
今回のお話はあくまで”ワタクシの妄想”ですから、くれぐれもメーカーさんに質問したり、実際に本格的な機械に検査にかけて比較なんてしないよーに、ですよw
面白かった、という方は是非X(旧ツイッター)のリポストなどで拡散していただけるとウレシイです(^^)
ではでは~。