「命」について語ります。
※今回はいつもよりも特に真面目に書かせて下さい。
プロローグ
私は仕事の関係で2009年~2012年の間、家族を連れ立って仙台に転勤していました。
そう、東日本大震災を宮城県仙台市で被災しています。
3/11については当時見た事/体験したことは一生胸に刻んでおこうと心に決めたものの、
悲しいかな人は忘れる生き物、だんだん当時の記憶が薄れていることに無念さを感じているところでしたので、この機会に当ブログに残しておくことにします。
いつも以上に長文になるかもしれませんが、最後までお付き合いいただけると幸いです。
2011年3月11日14時4X分、それは突然やってきた。
その日も仕事は適度に忙しく、ようやくひと段落したあと職場から歩いて数分の仙台駅周辺の今にも崩れそうなボロボロな店構えの中華料理屋にて私は遅い昼食をとるために入店。
オーダーした定食を食べていると突然経験した事のない地面の揺れ。
立ち上がる事が出来ず、向かいのテーブルの同じく遅い昼食をとっていたであろう見ず知らずの客と「何が起きているんだろう?こいつはただ事じゃない」とアイコンタクト。
その後、少しして揺れが収まると店の人が厨房の奥から大声で「お代はいらないので早く安全な場所に避難して」と言われお店を出ると大通りの中央分離帯の街路樹に人が集まっていました。
大木の近くは根が張っているので地盤が頑丈、というのを思い出し私もそのまましばらくその場にとどまる事に。
そしてそばにいる知らない人同士で「さっきの地震相当大きかっ・・・」と言い終わるか終わらないかのうちに再び大きな揺れが。
そんな状況がしばらく続き、余震も私自身の気持ちも落ち着いたところで職場の状況が気になり戻ってみると、勤務先の30階建てのビルの1F外にはあふれんばかりの人だかり。
みんなビルに入っている会社・お店の人たちがすべて上階から避難してきていたのです。
(季節はまだ冬なのに・・・)
ようやく自社の集団を見つけその後の対応を検討している中、パラパラと雪が降り始めてくる始末。
片側3~4車線ある大通りもいつのまにか車が動かないくらいの大渋滞に。
そして、携帯電話(当時はまだガラケーが主流)でワンセグを見ていた人から「とてつもない津波がやってきてきているようですよ」と見せられるも、異国の話くらいに現実味は持てませんでした。
遠方から通勤している人たちから優先的に帰宅を促し(といっても、車も動かなければタクシーも捕まら
ない状態のため、行けるところまで歩いて帰るという人が多かった)、徒歩圏内に家がある私は、ほとんどのスタッフが岐路についたのを見計らい、自宅近くの小学校に避難している家族に合流。
その後、電話が全く通じなかった数日は、千葉の実家や友人は我々に最悪の事態が起きているのでは、と覚悟を決めたとも後日聞きました。
翌日からは職場の復旧に奔走し、数日連絡が取れない社員の安否を確認するために信号も停電で止まってしまった真っ暗な道を車で家庭訪問したり(幸いこの人は無事でした)、それはもう必死の数週間でした。
(被害の状況に差はあれど・・・)
沿岸部の方々はもっと大変な思いをしている方もいましたので、私の体験はまだましな方だと思いますが、自宅マンション(賃貸)は半壊認定されたり、ライフライン(特にガス)が使えないなど日常生活を
取り戻すのには長い時間を要したのは確かです。
少しおちついた頃に、TVで報道される仙台駅前周辺の様子はあたかも「日常を取り戻した」みたいな内容でしたが、実際は電気・ガス・水道が止まっていたり、流通が止まっていたりして商売が出来ないお店はたくさんあり、TVを見るたびに「中心部だってまだ大変なのに・・・」ともどかしい気持ちであふれているのは記憶に残っています。
この時の思い
この1件で人間の良心も悪意も普段よりも顕著に表れるシーンを見てきたことで、人生観が変わったという部分もあります。
「人の本質はピンチの時に現れる」・・・自分自身においてもです。
この時にとった自分の行動には後ろめたい部分ややましい部分はないのは幸いだと思っています。
Twitterが”命”をつなぐ
この震災から1か月半程度はライフラインはまともに機能せず、物資も十分に手に入らず、という状況が続いていたのですが、そんな中で重宝したのが”Twitter”でした。
「〇〇のガソリンスタンドで給油できるみたい」「△△のお店で食材が並びだした」「XXの配送会社が営業再開したから支援物資を頼める」「□□のスーパー銭湯が明日整理券を配って限定営業する」など、情報をいち早く入手するためのツールとしてTwitterには大変助けられました。
中には悪意のあるフェイクツイートをするヤツもいましたけど、情報の精査はそれほど難しくはなかったので、Twitterを利用していない方もアカウントだけでも作っておくことをお勧めします。
日常的なところだと、電車遅延などの”生の声”がつぶやかれているので、通勤通学時にこの上なく役に立つかと思います。
※TIPS
リツイートがタイムラインを占領して邪魔、という方は検索時に「(キーワード) -rt」と入力してみてください。リツイートだけ省かれてタイムラインがすっきりします。
アングラーのみなさんへ
いうまでもなく当ブログは釣りをテーマの中心とした記事投稿をしています。
なのでまとめとして、釣り人の観点から「命」について伝えたいことを思いつくまま記していきたいと思います。
最初に言いたいことは、「命あっての釣り」ですので、決して無茶はしないでほしいという事です。
ライフジャケットを身に着けているから大丈夫、ってわけでもない場合もあります。もし落水して岩場やコンクリート護岸にライフジャケットの膨張部がこすれたりしたららすぐにパンクしてしまいますし、「万全」というのはほぼない、くらいの用心深さは必要だと思います。
自然の前では人間はほぼ無力です。
こちらが油断していてもしていなくても容赦なく牙をむいて襲い掛かってきます。
なので、危険を伴いそうなシーンで「あと少し」「ちょっとだけ」という言葉が思い浮かんだ時にはすぐに自身でブレーキをかけてください。
20年以上前に川でBBQをしていて流された集団がいましたが、まさにこのブレーキが掛けられなかった代表的な事例だと思います。
※ショッキングな映像になるかもしれないので、ご注意を。
ちょっと話が逸れてしまったかもしれませんけど。
私たちがハマっているのは、自然と対峙するアクティビティである「釣り」。
ルールを守って&安全に、末永く楽しんでいきたいものですね。
最後に
東日本大震災で犠牲となられた全ての方々に哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。