Abuを離れた今江さんにお手紙書いてみた。
拝啓 今江様
貴殿のブログ拝読いたしました。
長きにわたり二人三脚でパートナー関係を歩んできたAbu(ピュアフィッシング)に
一方的にしかもきわめてシンプルな形で契約終了となってしまったこと、記事の中では
積もりに積もったやりきれない気持ちを抑えながら伝えようとする姿勢がひしひしと伝わってきました。
まず最初に、恥ずかしながら貴殿についてあまり存じておりませんでした。
本屋でバス釣り雑誌を立ち読みしたときに、質問コーナーのコメンテーターとしてお名前を
お見かけしたくらいで、巷にあふれるメディアプロのうちの一人、くらいのイメージでした。
ところがwilipediaをはじめネットで調べていくと、バス釣りシーンにおいてAbuの看板を背負って30年以上も第一線で戦い続けてきたレジェンドだという事を今回の一連の騒動を機に知り、考えを改めることにします。
特に2011年トーナメントの獲得賞金を東日本大震災の復興支援に全額寄付したという逸話は日本のプロアングラーとして史上最大の偉業ではないか、と思っています。
しかしながら。
ブログ記事の中で、ご自身の評価を自ら下げてしまっているのではないか、と懸念される表現が3つほどありましたのでお伝えしておこうと思い筆を執った次第です。
”プロ”そして”業界のレジェンド”して、これからも我々アングラーの憧れの存在であってほしいという思いから書かせていただきます。
●表彰状について
引用:”ピュア・フィッシング本社から当時の総裁トム・ベデル氏の直筆入りで送られた貢献感謝状。日本人でこの証書を頂いたのは自分が最初で最後だろう”
その当時の評価はたしかに症状を授与されるに値するものだったかもしれません。
創設者は釣り好きだったのでしょう。だからこそそこには共感もあり、貴殿のAbu製品に対する愛情も伝わったからこそいただけた表彰状なのではないかと思います。
二者間には良くも悪くも”釣り好き同士の情”が介在していた結果の功績だと思います。
現在、Abuは釣りに縁遠い投資会社が経営の主導権を握っています。
そこに”情”はほぼないでしょう。
もっと端的に言ってしまうと、”金を産むか産まないか”、この部分を最優先に物事を進めていきます。
ビジネスの観点からしたら至極当然の事です。
M&Aで買収されたんだったら企業価値を高めるためにいろんな要素をそぎ落として利益だけ追い求めて、ともすればもっと高い値段で売るって事をすでに考えているかもしれません。
こうして売り飛ばされた企業の大半からは、創業者の思いや企業理念なんていうのは徐々に(あるいは突然)消え去っていくものです。
そして、残るのは焼け野原あるいはしぼりかすみたいな結末を迎えることだって・・・。
まぁそりゃそうです、慈善事業ではなくビジネスなわけですから。
そういった意味では、”証書をいただいたのは最初で最後”というのはあながちオーバーな表現ではなさそうですね。
でここで一つ問いたいことが。
感謝状を掲載した真意は何だったのでしょう?
いまこのタイミングで安直に過去の偉業を持ち出してしまうと、残念ながら大半のユーザーからは、「過去にすがりついててカッコ悪い」という印象しか持たれないと思います。
イタチの最後っ屁にすらならないと思います。
●「通訳なしでコミュニケーション」について
引用:”ABUのスウェーデン本社にて、通訳ナシで行った開発会議は、今も記憶に鮮明に残っている。この会議で「レボ・オーロラ」が誕生した”
英語が得意、というのはWikipediaにも書かれていましたので通訳なしでコミュニケーションをとっていたのは事実なのでしょう。
ただ、この字面だけを見ると単なる英語でコミュニケーションが取れるという自慢にしか感じないのです。
おそらく真意としては「通訳ナシで(ダイレクトに自身の思いを伝えられていたからこそ非常に濃いコミュニケーションが実現して)行った開発会議は~」と言いたかったのですよね?
大事なところが抜けていると、読む側は歪曲して悪い方にとらえてしまうケースは少なくありませんので、ここは思いの部分まで文字に起こしておく必要があったと感じた次第です。
●「ABUに残らせてほしい」について
引用:”契約金ゼロ、リールの無償提供無しでもかまわないので、ABUに残らせてほしいと訴えていたが~”
契約金ゼロ、リールの無償提供なしって・・・それ、我々と同じただの一般消費者ですよ。
一般アングラーにとって憧れの対象である方が、こういったすがりつくような発言を残すのは百害あって一利なしだと思います。
そこまで泣き落とし(に近いお願い)をして、それでも契約解除になったという事はある意味”Abuにとってまったくもって不要になった”という事の裏返しであり、ご本人のデモンストレーターとしての価値をより一層下げてしまったことにならないでしょうか。
そんな中、新たなパートナーとしてジーニアスプロジェクトとタッグを組んでいくという事になったというのも書いてありましたね。
このメーカーの主力リール、グラビアスの広告宣伝効果を見込まれてのスカウティングかと思っていましたが、前述のAbuの下した評価からすると狭い釣り業界内の旧知による”武士の情け”みたいな要素の方が強そうな印象が強い、というのが個人的な所感です。
また、Youtubeには「グラビアスの1/6の値段で同じリールが・・・」みたいな挑戦的且つ面白い動画もあがっており、値段相応あるいはそれ以上の魅力を我々消費者にどうやってアピールしていくのか、というのも非常に興味深いところです。
是非2022年シーズンは、私の不安・懸念事項を吹き飛ばすような八面六臂のご活躍を祈念いたしております。
敬具
と書いてみましたけど、イマカツの問い合わせ窓口とかに送ったりする予定はありません。
そういうていで書いてみたって、だけです。
最近のAbuで起きた一件の記事はよく読まれているようで、皆さんご興味あるんだなぁというところからまたテーマとして取り上げたという部分もあります。
【引用元のブログ記事はこちら】
※引用元の発言がリンク先で見つけられない場合は、改訂されてしまったと思ってください。