
ここがヘンだよ、釣り業界 #6 レアルアーとみそきんに漂う疑念。
食べましたよ、エガちゃんラーメン。
みそきんと違って簡単に手に入りました。
エガちゃんが動画で言ってた通りたくさん作ったみたいですね。
なお、食べたのは辛い方のヤツ。
この手のコラボ商品の慣例通りお値段が若干高めでしたけど。
食べた印象では、美味しいっちゃおいしいけど値段相応かというと・・・っていう印象。みそきんの方がクオリティが高かった印象。
でも、これで一つ消費者にバレちゃったことがあります。
それは「在庫って潤沢にそろえようと思えば普通にできちゃう」ということ。
「ヒカキンさんの方が圧倒的に登録者数多いし認知度あるから売れ行きも全然違うでしょ?」っていうご意見もあると思います。
でも。
動画の再生回数で比較してみると、ならしてみると両社ともそんなに変わらないし、コラボラーメンの動画の反響の初速は登録者数と比例するほどではなく、大して変わらないのです。
というところから当ブログでは下記の仮説を唱えたいと思います。
●異なる販売戦略
まずは、みそきんの販売戦略について。
・みそきんはyoutuberなど市場に影響力のある人とのコラボラーメンのテストマーケティング
・販売数は少なく今回テストマーケティング第1弾であることから、利益はある程度度外視して原価率は高めに設定しクオリティの高い商品を開発(実際、値段の割に美味しかった)
・利益率を低く設定したため売り切らないといけないことから、みそきんの生産数は購入予測よりも低めに設定ていたため「品薄な状況」は想定範囲内でもともと既定路線
・手に入りずらいという状況から消費者に飢餓感を煽り「商品のプレミア感」と「ヒカキンの人気度」を世に知らしめるブランディング(手に入らないことに対しての市場の不満/クレームは想定済(セブンイレブンはある意味犠牲者でかわいそう。。))
続いて、今回のエガちゃんのコラボ商品の販売戦略について。
・みそきんの成功で「Youtuberとコラボした商品は値段は高いけどその分クオリティも高い」という印象は消費者が浸透しているため、えがちゃんのケースは、前者で飢餓感を煽られた消費者が群がることを想像し商品を多く用意することを大前提に企画スタート。
・今回は利益を確保するため、売れ残りも予測し値段は同じくらいにして原価率は低めに設定(その分、商品の品質は低下)
・仮に売れ残っても、メーカー側はもともと原価率を低く(=利益率を高く)設定していたため、一定の販売数を超えれば損失は少ない。
・おそらくエガちゃんねる側はネーミングライツ(名前貸し)くらいしかギャランティは発生しておらず、そもそものこのコラボの狙いは「たくさんお店に並べて手に入るようにしてくれたエガちゃん、ありがとう」というある種”みそきんを踏み台にした”好感度アップというブランディングにあるんじゃないかと。
エガちゃん自身がお笑い芸人さんということもあり、売れ残り自体が今後なんどもコスれるネタになるという、商品が売れても売れなくてもどっちにしてもメリットありのシナリオ、と推察。
なので。
みそきんとエガちゃんの今回の商品ですが、どちらもコラボ商品という共通点はあるもののそれぞれの販売戦略は全く異なる、というのが当ブログの見立てです。
ふぅ。
前置きが当ブログ史上、おそらく最長になってしまいましたが。
ここからが本題。
●品薄商法”せざるを得ない”ウラ事情
今回例に挙げた2つのコラボラーメンのうち、みそきん的な販売戦略をしているのは明白、っていうものが釣り業界にもありますよねー。
そうです、未だ手に入りずらいレアルアーの数々です。
ルアーメーカーさんの事情も分かるんですよ。
どんなに有名なメーカーでも、企業規模でいったら、中小、いや零細のレベルの場所が大半。
あのジャッカルだって公式に発表している従業員数は100名に満たないんですから。
近年、キャンプ業界衰退の後ろを辿り始めている釣り業界ですからルアーメーカーにとって事業拡大は極めてハードルが高く、如何に現状を維持していくかが最重要課題っていうのは明白なわけですから。
って考えると、「たくさん作ってたくさん売る」よりも「”確実に売れるもの”を確実に売れる数だけ作って確実に利益を得る」という点が理想的な形になるわけです。
この”確実に売れるもの”っていうのが、あらゆる業界のメーカーにとっての”夢”だと思うんですけど、釣り業界においてはたまーにバズる”レアルアー”っていうのがあります。
いったんバズっちゃえばあとは簡単、ほしい人たち全員の手に渡る事なんて考えずに、ちょびちょび市場に流通させていけば、確実に利益は出てきます。
すなわち、”ちょびちょび市場に流通させて~”=”出荷調整”ってことです。
釣具店側も、商品棚にいつまでも残っている「売れるかどうかわからない商品」よりも「確実に売れる商品」の方が売り場面積をいつまでも占有することないですし、人気商品を”エサ”に客も呼び込めるわけです。
(釣り具という性質上、仮に目的のものが売り切れで買えなくても「来たついでに変わりに〇〇買っていこうかな」という”魔界理論”が成立しやすいですし)
全く店頭に並ばない状況が生まれない限り、メーカー側も店舗側も困ることはない、ってことです。
と、いうわけで。
レアルアーに振り回される連中のことについては別記事ですでに取り上げていますけど、
「釣れるか釣れないかよく知らんけど、手に入りにくいみたいだから買っておこう」という物事の本質が見えないあーぱーな連中とかSNSのヘビーユーザーかつ自己承認欲求マシマシユーザーはこういうカラクリも知らず格好の餌食となってしまうわけですねー、はぁ(ため息)。
この種の気質って日本人特有のものなんでしょーか、知らんけど。
●まとめ
メーカー側が市場操作することなんて意外と簡単じゃん、っていう妄想でした。
信じるか信じないかは・・・です。