あの夏、"天使"に出会ったお話。
それは、一週間後にお盆を迎えるある夏の日のこと。
お盆期間中は殺生禁止という日本古来の教えを忠実に守る私としては、その前の週末思う存分バスと戯れてこようと、「おばあさんは川に洗濯に〜」という桃太郎の昔話のフレーズと同じくらい当たり前に早朝から川に釣りに行きました。
いつも行くポイントには、いつも通り人がいません。
そして早速ルアーを投げ始めるのですが、魚もいませんw
それでも、投げられる範囲を満遍なく攻めていると、あることに気づくのです。
・・・
・・・なんか、変な鳴き声してない?と独り言。
そういえば。
釣りを開始した時から、生い茂った藪の中で、か細い声で何かが泣いている、ってことに今更ながら気がついたのです。
一旦ロッドを置いた私は「鳴き声の主」を探してみることにしました。
・・・すると、
君、だれ? 生物学上、何に分類される?
こんな小さな生き物なんてハムスターくらいしか見たことないんですけど。。。
周りを見ると、親らしき姿もなく、でも、目も見えない状態で必死に泣く姿を見ているうちに「このままじゃ蛇とかカラスにパックンチョされちゃうんじゃないの?やゔぇ、どうしよぉ・・・」と動揺する一方で、でもいきなり連れ帰ったらカミさんに怒られちゃうんだろうなぁ、と一旦冷静になり、電話をかけてみた。
・・・
・・・電話出ないよ、まだ寝てんのかな。ったく、こういう時に繋がんないんだから。
こうなったら自分で責任持って判断するしかない、と腹をくくり「里親見つかる話とかよくTVでやってるからとりあえず連れて帰ってみますかねぇ」と、
釣りを早々に切り上げ、GO HOME。
なにせ、ハムスターサイズなので、車の中であちこち暴れないように座席の間にある小物入れにスポッと納めて軟禁ドライブで数十分(家に着いたら小物入れれがおしっこまみれだったのは今だから笑える話)。
ひとまず、家に着くなり家族に見せて「里親見つかるまでの間面倒見てみましょうか」と玄関先で数分の家族会議の後、牛乳を与えるところからスタート(赤ちゃん猫には牛乳はあまり良くないってあとで知りました、反省。。)。
「里親を見つけるまで」と、思いつつも、時を経るにつれて目が見えるようになり、トイレも所定の場所でできるようになり、おぼつかない足取りで部屋中を駆け回るようになってくる姿を見ながら日に日に増してくる"情"。
連れて帰った時には、お味噌汁のお椀に入るくらい小さかった彼も、それから数年、巨ネコに育ち我が家の"癒しの元"として愛されている、というお話でした。(サムネの子です)